■真冬の南紀で巨大レッドモンスター連発
和歌山県・南紀エリアでは、レッドモンスターと呼ばれる赤イカ系の巨大なアオリイカを真冬のこの時期に狙うことができる。キロUPはもちろん5kgオーバーも出現するという、まさにモンスターハンティング。
今回は、ティップランでレッドモンスターを狙おうと、地元和歌山の新進気鋭メーカーである「ブラックライオン」の山本康平氏とテスターの青木将春氏とともに串本沖へ向け出船した。
真冬の南紀エリアでなぜレッドモンスターが狙えるのかというと、その大きな要因は「黒潮の接岸」にある。特に潮岬周辺は、黒潮との接岸距離が近いため、その恩恵をより顕著に受けるため、レッドモンスター狙いでは定番のポイントとなる。
ティップランで使用するタックルは、通常のティップランエギングよりもワンランク強めのセッティングがオススメ。アベレージサイズが2~3kgとなるので、それに応じたパワーが要求される。今回、ブラックライオンの2人が現場に持ち込んだタックルは、レッドモンスター狙い専用のセッティング。高感度かつパワーのあるロッド、2500~3000番クラスのリール、PE0.6号、リーダー2.5号という組合せだ。
タックルの中で特に重要となるのがロッドの存在。レッドモンスターのバイトを手元まで伝える感度と、トルクフルなジェット噴射を受け止められるバットパワーがロッドには要求される。さらに、流れの速い海域でも、しっかりとエギをアクションさせるための操作性も非常に重要なポイントとなる。
■対レッドモンスター用ロッド:ブラックライオン75M、75MH
そんな巨大なレッドモンスターを「狙って・掛けて・獲る」というコンセプトで設計されたのがブラックライオン「75M」と「75MH」だ。このロッドの一番の特長は、ティップがチューブラーであるということ。昨今のティップランロッドはソリッドティップが主流となっているが、あえてチューブラーを採用した理由は「エギを操作性する」ということを重要視したためだ。
前述したように、串本や潮岬エリアは潮の流れが早く、狙う水深もそれなりにあるため、その状況でしっかりとエギをアクションさせるには、硬すぎずバット部でエギを持ち上げるようにシャクることのできるロッドが必要不可欠となる。
そのバットパワーをしっかりエギに伝えるためには、無駄のないキレイなベンドカーブが要求され、それを実現するためティップ部分をチューブラーにするという結論に辿りついたのだ。
だが、ソリッドティップ市場の中でチューブラーと聞くと、どうしても「感度が悪いのでは?」と思われる方もいるだろう。しかし、ロッド全体を高感度設計にすることで、手元までしっかりとレッドモンスターのバイトを伝えることに成功した。青木氏いわく、よそ見をしていてもバイトが分かるほど高感度だとか。
また、より海中の状況をハアクしたい場合には、グリッブ上部のバット部に指で触れることで、それを実現することができる。詳しくは動画内の解説をご覧いただきたい。